株式会社D2Cは、2026年1月をもって株式会社CARTA HOLDINGSの傘下となり、当社Marketing & Creative事業は株式会社CARTA ZERO CXクリエイティブ局と共に活動しています。

世界最大級のXRの祭典へ。AWE USA 2026&Auggie Awards参加レポート

IMG SRC STUDIO

  • #プロトタイピング

  • #XR

IMG SRC STUDIO デザインエンジニアの加島です。

2026年1月に開催された「TOKYO PROTOTYPE」において、D2C IMG SRC STUDIOとSoVeC株式会社が共同出展した「Gate」と「Drawn Planets」が、世界のXR作品やプロダクトを表彰する「Auggie Awards 2026」のファイナリストに選出されました。

https://www.youtube.com/watch?v=-qkWFcXLIbY
https://www.youtube.com/watch?v=OihbebeyEo4

「Gate」はBest Interaction Product部門、「Drawn Planets」はBest Use of AI部門での選出です。世界中から集まった応募の中から、私たちの作品が2部門でファイナリストに残ったことを受け、授賞式が開催されるアメリカ・ロングビーチへ向かいました。

今回の記事ではAWE USA 2026の展示と、Auggie Awards授賞式の様子をレポートします。

世界最大級のXRカンファレンス AWE USA

「Auggie Awards」は2010年から続くXR分野で最も著名なアワードであり、革新的な作品やプロダクトを表彰しています。授賞式は、世界最大級のXRカンファレンス『AWE USA 2026』のハイライトとして、6月15日から18日にロングビーチで開催されました。

今年のテーマは「I, Spatial: Humans Empowered by Spatial AI」。開幕基調講演では、AIをツールとして人間が自らの能力を拡張するという、空間コンピューティングの新たな方向性が力強く語られました。

https://youtu.be/bEdEP5-1bcI?si=4A3m2fdtl3UVZe5N

現地で注目した展示

200社以上のブースがある中、注目した5つのブースをピックアップしてご紹介します。

会場全体を包んでいたSnapの「SPECS」

イベント会場で特に大きな存在感を放っていたのがSnapでした。ロビーには新製品の名称である「SPECS」の文字が大きく掲げられ、イベント全体を象徴するような光景が広がっていました。

会場に展示されていた「SPECS」の実機コーナーでは、スタッフから操作方法について詳しく話を聞くことができました。特に、正面だけでなく下向きのカメラがあることで手をおろした状態でもジェスチャーを認識してくれる点は、グラス型デバイスを日常的に使う上で、とても重要な要素だと感じました。

また、展示スペースでは歴代の「Spectacles」の展示や、実際のAR体験、SPECSのバーチャル試着なども用意されており、始まりはカメラ付きサングラスだった製品が、空間を理解してデジタルを現実世界に重ねる「ウェアラブルコンピューター」へと進化してきた過程を肌で感じられる展示でした。

広い視野角でMRへの没入感が大きく進化した「XREAL AURA」

Qualcommブースでは、Android XR搭載の最新グラス「XREAL AURA」を体験しました。Geminiと統合され、視界を理解し即座にサポートする設計です。驚いたのはその軽さで、重いパーツを外部パックに分離したことで本体はわずか91g。これからのAI時代にふさわしい、スマートな基盤を強く実感しました。

今回何よりも感動したのは、その進化したシステムがもたらす圧倒的な「MR(複合現実)としての没入感」でした。視野角が70度まで拡大したことで表示の境界線がほぼ消え、低遅延なハンドトラッキングと相まって、目の前の空間に直接触れているような感覚に陥ります。XREAL AURAは、これまでのXRグラスにはない、単なる映像デバイスを超えた「持ち運べる空間コンピューター」の未来を確信させてくれる完成度でした。

ルーペのように覗く、キヤノンのポケットサイズMRデバイス

日本企業では、キヤノンの展示にも注目しました。ブースでは、ポケットサイズのMRデバイス、XRコラボレーションプラットフォーム「MREAL Collaborator」、ARグラス向けの高効率導波路という3つの技術が紹介されていました。

特に開発中のポケットサイズMRデバイスに感動しました。頭に装着するのではなく、ルーペのように片手で持って覗き込むユニークなスタイルで、手に取った瞬間の圧倒的な軽さは、これまでのXRデバイスのイメージを覆す手軽さでした。実際のデモでは、手元を覗くとリアルな3DCGが鮮明に浮かび上がり、さまざまな角度から間近で観察できました。常時装着するHMDとは異なり、「見たいときだけ覗ける手軽さ」と「高品質なMR表現」を両立している点がとても新鮮で印象に残っています。

振動の位置と動きまで感じられる「TactGlove DK3」

bHapticsブースでは、新発表の触覚グローブ「TactGlove DK3」などの最新システムを体験しました。体験に合わせてグローブやベストなどを柔軟に組み合わせられるモジュール式が特徴です。直感的に触覚パターンを作れるツールや開発環境へのサポートも万全で、コンテンツ制作のハードルを大きく下げてくれる設計だと感じました。

デモでは宇宙船の修理を通じて、圧倒的な表現力に感動しました。身体がスキャンされると頭から体、手へと振動が波のように駆け巡り、身体の表面をなぞっていくような感覚がありました。特にグローブの触覚は、指先から手首まで一続きに走る滑らかさ。振動の移動方向までリアルに知覚できる高解像度な体験は、従来のデバイスを超える異次元の没入感でした。

カメラを使わずに意図を捉える「Mudra」

イスラエルのWearable Devices社が開発する、手首型のニューラルインターフェース「Mudra Link」のデモを体験しました。これは指先や手首の微細な筋肉の動きを捉えて画面を操作するデバイスです。実際に試してみると、指を動かす前のわずかな活動を検知するため入力の遅延がほぼなく、驚くほどスムーズ。軽量なバンド型で装着しやすく、カメラ不要で手の位置や周囲の環境に左右されずにジェスチャー操作できる点が非常に魅力的でした。

会場では、さらなる高精度化を果たした次世代モデルや、AIを活用した開発プラットフォームも発表され、この入力技術の可能性を広げようとする勢いを感じました。以前、Meta Ray-Ban Displayを体験した際に「手首の操作バンドだけを独立して色々な機器で使えたらいいのに」と感じていたため、まさにその理想を形にし、単体であらゆるデバイスと自由に組み合わせられるMudraの今後の展開に大きな期待が膨らみました。

Auggie Awards 2026 授賞式

授賞式は、AWE USA 2026のメインステージで開催されました。会場には多くの参加者が集まり、ステージ横にはAuggie Awardsのトロフィーを模した大きなモニュメントも設置されるなど、華やかな雰囲気に包まれていました。

今回は363作品の応募があり、全20部門で審査が行われました。私たちが応募した「Best Use of AI」にも多くの作品が集まり、最も応募数が多かった部門は「Best Game or Toy」だったそうです。

授賞式では、各部門のファイナリストが映像、作品名、応募者名とともに大画面で紹介されました。その後、AWE Hall of Fame選出者が受賞作品を発表し、受賞者がステージ上でスピーチを行います。私たちの「Gate」と「Drawn Planets」も、世界中から集まった作品と並んでメインステージの画面に映し出されました。

残念ながら受賞には届かず、率直に悔しさは残りました。一方で、受賞者にはGoogleをはじめとする世界的な企業やクリエイターも名を連ねています。その中で、私たちの2作品がファイナリストに選ばれ、この大舞台で紹介されたことを、とても誇らしく感じました。

さいごに

今回のAWE USA 2026では、視野角や画質といった表示性能の進化だけでなく、デバイスの軽量化、自然なジェスチャー入力、筋電位による操作、全身を駆け巡る触覚表現など、XRをより自然に使うための技術が数多く見られました。また、XREAL AURAやMudra Studioのように、AIがXRデバイスや開発環境へ深く組み込まれていることも、今年を象徴する動きだったと感じます。

Auggie Awardsでは受賞には至りませんでしたが、世界中から応募が集まる中で、私たちの2作品がファイナリストに選ばれ、メインステージで紹介されたことは大きな自信になりました。今回得た刺激や悔しさを、さらなるプロトタイピングを通じて、次の体験づくりへつなげていきたいと思います。

D2C IMG SRC STUDIOでは、社内でプロトタイプを作成し、そこからクライアントワークに昇華させていく取り組みをしています。 新しい技術やサービスの打ち出しにお悩みの方、プロトタイプの共創パートナーを探されている方、ぜひ一度ご相談ください。
https://www.d2cid.co.jp/lab/

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