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SNSキャンペーンでブレないKPIを設計するためのコツ

高野千絵
#マーケティング
#SNS
こんにちは!D2CIDでWEBアナリストをやっております、高野です。
WEBマーケティング業界で仕事をしていれば、KPIを設計してほしいと依頼が来る場面も多いのではないでしょうか。
「とりあえず去年の1.5倍でいっとこ!」など、「えいや!」で設計した経験はありませんか?
低すぎるKPIは、提案時に上司から許可を得られません。
逆に、高すぎるKPIを設定した場合上司からは良い反応かもしれませんが、施策開始後早々に未達見込みとなり、キャンペーンの途中で追加改善施策を考え実行していかなくてはなりません。
そのため根拠を踏まえた、現実的なKPI設計が求められます。
このBLOGでは、現実的なKPI設計をするためのコツをお伝えできればと思います。
ブレないKPIを設計するには
ここでは「マストバイキャンペーンの参加者数」をKPIとして設定したときの具体的な数を出していくプロセスを紹介します。
キャンペーンが「マストバイ」でなくても、KPIが「参加者数」でなくても、参考になると思いますので、ぜひご一読ください。
KPI設計のプロセス
- 導線の洗い出し
- 母数と遷移
- 情報収集
- 過去データの読み解きと差分の認識
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1.導線の洗い出し
まず初めに、導線を洗い出します。
頭の中では整理しきれない内容ですので、PPTなどに書き起こすのが良いかと思います。
「リアル導線は数値化できないから、、、」などは気にせずに、リアルもデジタルも含め考えられる導線をすべて書いていきます。
最初に、まず入口を書きます。
・オフライン広告は行うのか
・デジタル広告は行うのか
・店頭で告知するのか
・公式ブランドサイトで告知するのか
・公式SNSで告知するのか
など確認しながら書き進めましょう。

その後、入口で接触したユーザーはどんな導線をたどってキャンペーン応募サイトに訪問するのか、実際の応募はどのSNSで行うのか、または専用の応募フォームで行うのか、そういったことも確認しキャンペーンの応募完了まで、描いていきます。
2.母数と遷移
KPI設計時の基本的な考え方として、母数と遷移があります。
画像の「デジタル広告」の部分を見てみましょう。
広告を閲覧し内容が気になればリンクをクリックします。
この場合広告を閲覧したユーザーが「母数」、リンククリックしたユーザーが「遷移」したユーザーです。
広告のリンクをクリックしたユーザーは次のポイント「特設LP」では「母数」になります。
このように入口から入ってきたユーザーは母数→遷移→母数→遷移を繰り返して応募を完了します。
この概念を把握しておきましょう。
また、遷移÷母数は遷移率となります。(下図 △△%の部分)

遷移率が上がる要素として、下記があげられることも理解しておきましょう。
【遷移率が上がる要素】①商品・サービス自体の認知度が高い
②プレゼントの豪華さ、当選人数
③キャンペーンの参加のしやすさ
④応募可能回数が多い
⑤著名人、著名商品とコラボしている
詳細をご説明します。
①商品・サービス自体の認知度が高い
認知度が高いAという商品とBという商品で、他の要素が全く同じ条件で
SNSキャンペーンを行ったとすると、Aの方がBより遷移率は高くなります。
②プレゼントの豪華さ、当選人数
例えば、同じ50名当選だとして、
・AMAZONギフト500円×50名様
・黒毛和牛ハンバーグ 5,000円相当×50名様
・体験ギフト30,000円相当×50名様
では、やはり体験ギフト30,000円相当の遷移率が最も高くなるでしょう。
また同じAMAZONギフト500円でも、50名様と500名様では500名様の方が
遷移率は高くなります。
③キャンペーンの参加のしやすさ
- 商品を購入したレシートをアップロードする(マストバイ)
- Xでフォロー&リポスト
- Xでフォローし、お題に沿った写真を投稿して決められたハッシュタグをつける
- LINE認証後ボタン1つで応募
- アンケートに30問答える
など、いろいろなキャンペーン参加条件があります。
もちろん参加がしやすい程、遷移率は高くなります。
④応募期間、応募可能回数
応募期間が5日間と30日間でも遷移率は異なりますし、
応募可能回数が1人1回と、期間中毎日応募可能とでも遷移率は異なります。
⑤著名人とコラボしているかどうか
著名人を起用したCMを公開していたり、プレゼントに著名人のサインがあったり、著名人とコラボしているキャンペーンは遷移率が高くなります。
3.情報収集
過去の事例を情報収集します。
情報収集する内容は、主に△△%の部分です。
このとき2で挙げた【遷移率が上がる要素】ができるだけ近い過去のキャンペーン事例のほうがよいですが、そんなに都合よく全部の要素が同じことはありません。
そういった場合は、とにかくたくさんの情報を集め、使えそうな部分をパズルのように当てはめていきます。
広告配信に関しては、運用を依頼する会社にお願いしてシミュレーションを出していただきましょう。
過去の資料を掘り起こしたり、関係各所にヒアリングしてみたり、、、ここが一番時間がかかるんですよね。
過去のキャンペーン事例を表にまとめておくと、素早くアクセスできるかもしれません。
4.過去データの読み解きと差分の認識
どうしても参考になる過去事例がない場合は、近しい事例を参考にします。
このとき、今回のキャンペーンとどこが違うのか、その結果遷移率が上ブレるのか下ブレるのか判断しなければなりません。
過去事例の内容をしっかり読み解き、差分を明確にしていきます。
例えば、過去事例では特設LPの遷移ボタンクリック率は25%だったとします。
ただし、過去事例はマストバイではなく、ボタン1つで応募できるタイプでした。
その場合、今回はマストバイですので、遷移率が「下ブレる」ことが予想されます。
何ポイント分下ブレるかは、他に事例がない場合は根拠がありませんので、他のPJTメンバーとも相談して決めてしまうしかありません。
根拠のない数値設定は不安かもしれませんが、今回のキャンペーンの結果、新たに実績が記録されますので、データをどんどん蓄積していくことで次のキャンペーンのKPI設計の精度が上がると、前向きに考えましょう。
プロセスは以上となります。
SNSキャンペーンは1つとして同じものはないので、毎回毎回KPI設計をするのが難しいのですが、地道に事例をため込んで生成AIに覚えさせれば、将来的にKPI自動生成マシンができあがるかもしれませんね。
ありがとうございました。
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D2C IDでは、体験設計、KPI設定から運用まで網羅したSNSキャンペーンを多数手掛けております。
ぜひお気軽にご相談ください。
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データマネジメント部 WEBアナリスト
高野千絵
市場調査、競合分析、SNS分析、アクセス解析、KPI設計などデータにまつわる業務を幅広く担当。 データなどのエビデンスも、UXで感じた直感も、どちらも大切にしています。

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