【★あなたにもできる★】GA4パラメータの振り方

高野千絵

  • #マーケティング

こんにちは。D2CIDでアナリストをしております、高野です。

日々アナリストへの依頼をこなしている私ですが、依頼内容のランキング上位に「GA4パラメータ発行」があります。

そしてこの依頼、突然来て「今日夕方までに」と期限が短いことが多いのです。
発行自体は(量にもよりますが)10~20分もあればできるのですが、MTG続きだとすぐにとりかかれなかったりもします。

そして声を大にして伝えたいこととして、「パラメータ発行はコツを押さえておけば誰にでもできる」のです。

ぜひ、この記事を読んで明日から「俺(私)、GA4パラメータ発行できるぜ!」と言えるようになってください。

ちなみに、依頼が急に来る理由は「広告の入稿期限が近づいている」ことが多いですね。まさに「出稿は突然に…」マーケ業界にはよくある話かと思います(笑)

前提としてまず、GA4のパラメータ発行はGA4管理画面にログインできなくてもできます。
「ログイン権限を〇〇さんが持っているから〇〇さんしか発行できないのでは?」と思っていませんか?そんなことはありません。

そして、覚えなくてはいけない(注意しなくてはいけない)ことは5つです!

  1. GA4パラメータ発行のルールがすでにあったら、そのルールに従う
  2. 特にルールがなければ、自由に付与してよい
  3. パラメータの始まりは「?」、複数ある時は「&」でつなぐ
  4. アンカーリンクに注意する
  5. 最後に必ずパラメータ付与済みURLをクリックして確認する

1. GA4パラメータ発行のルールがすでにあったら、そのルールに従う

1. は簡単ですよね!
WEBサイトのGA4を管理している部署にヒアリングして、ルールはありますか?
と聞くだけです。ルールがある場合エクセルやスプレッドシートに「媒体別パラメータ対応表」をまとめていることが多いので、その対応表を共有いただきルールに則って設定しましょう。

2. 特にルールがなければ、自由に付与してよい

そうなんです。パラメータというのは基本自由に付与してよいのです。
GA4のパラメータの例を示します。

utm_source=google
utm_medium=cpc
utm_campaign=2025spring

左辺の「utm_source」「utm_medium」「utm_campaign」この値は絶対に変えてはいけません。なぜなら、一文字でも違うとGA4がパラメータとして読み取ってくれません。
自由に記述してよいのは右辺の「google」「cpc」「2025spring」の部分です。

また下表にパラメータ左辺にはどんな意味があって、管理画面でどの項目を見るべきかを示します。

1. 各パラメータの説明   <utm_source>・ 「どこから来たか」・GA4で見るべき項目: 「参照元」  <utm_medium>・ 「どんな(タイプの)媒体・広告か」・GA4で見るべき項目: 「メディア」  <utm_campaign>・左辺の意味: 「どんなキャンペーンか」・GA4で見るべき項目: 「キャンペーン」

極めつけはコレ!


下表を抑えておけば、オーソドックスなパラメータ付与ができます。
「流入元」とそれに対する「パラメータ右辺に記述すべき内容」が対応表になっています。
utm_campaignは載っておりませんが、キャンペーンを実施する時期や、ブランド名、訴求内容、広告の細かなデータ(ターゲティング、配信手法)などを記述するとよいです。

パラメータ(utm_source および utm_medium)を整理した表です。 流入元: 広告か非広告かを区別しています。 広告種別: 広告の種類や形式を示しています(例: リスティング広告、ディスプレイ広告)。 媒体名: 広告が掲載される媒体やプラットフォーム名(例: Google、Yahoo)。 utm_source: トラフィックのソースを示すUTMパラメータの値。 utm_medium: トラフィックの媒体や形式を示すUTMパラメータの値。 広告 リスティング広告: Google (google/cpc)、Yahoo (yahoo/cpc) ディスプレイ広告: Google (google/display)、Yahoo (yahoo/display) SNS広告: Instagram (instagram/cpc)、Facebook (facebook/cpc)、その他X (x/cpc) 動画広告: YouTube (youtube/cpc) 非広告 SNSオーガニック投稿: Instagram (instagram/social)、Facebook (facebook/social)、その他X (x/social)

大事なのは一度xとしたらtwitterにはしないなど、途中でブレないことです。
また、右辺は大文字小文字を区別します。
Instagramとinstagramが混在しないようにしましょう。

上記表はあくまでも参考例になります。「GA4で分析する人がわかりやすい値」が一番よいです。

3. パラメータの始まりは?、複数ある時は&でつなぐ

パラメータは?から始まり、パラメータを複数つなげるときは&でつなぎます。

URLの構造における「クエリパラメータ」の説明を示しています。 1. URL全体
表示されているURLは、https://example.com/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=2025ss という形式です。このURLは、マーケティングやトラッキングのために使用される「UTMパラメータ」が含まれています。 2. クエリパラメータの始まり
赤い矢印で「パラメータの始まりは[?]」と説明されています。URL内でパラメータを指定する際、? を使用してクエリパラメータを開始することが示されています。 3. パラメータ同士の連結
「パラメータとパラメータをつなぐときは[&]」と記載されており、複数のクエリパラメータをURL内で結合する場合に & が使用されることを説明しています。 4. UTMパラメータの例     * utm_source=google: トラフィックのソース(例: Google)を示しています。     * utm_medium=cpc: 媒体の種類(例: CPC広告)を示しています。     * utm_campaign=2025ss: キャンペーン名(例: 2025ss)を示しています。

下記は間違いの例になります。
正常にパラメータが読み込まれなくなります。

クエリパラメータにおける間違いを指摘する例を示しています。 1. URL全体     * URL: https://example.com/?utm_source=google?utm_medium=cpc&utm_campaign=2025ss     * トラフィックの追跡に使われるUTMパラメータが設定されていますが、間違いが含まれています。 2. 指摘されている間違い     * 赤い矢印で示されている部分: utm_source=google?utm_medium=cpc の箇所で、2つ目のクエリパラメータの前に ? が使用されています。     * 正しい記述では、2つ目以降のパラメータをつなぐ際は & を使う必要があります。 3. 間違いの影響     * このような誤りがあると、解析ツール(例: Googleアナリティクス)で正確にトラフィックを追跡できない可能性があります。     * クエリパラメータが途中で分断されてしまい、予期しない結果が出ることがあります。 4. 正しい形式     * 正しいURL例: https://example.com/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=2025ss

また、ランディングページURLにそもそもパラメータがついていたときはGA4用パラメータも&でつなぎます。

この画像は、ランディングページURLに既にクエリパラメータが含まれている場合のパラメータの追加方法について: 1. URL全体     * URL: https://example.com/?page=001&utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=2025ss     * もともとランディングページのURLにクエリパラメータ(?page=001)が含まれています。 2. 重要なポイント     * 既存のクエリパラメータ         * ランディングページURLに ?page=001 が含まれています。この部分が、最初のクエリパラメータを示しています。     * UTMパラメータの追加         * 赤い矢印で「GA4パラメータは&から始める」と説明されています。すでにURLに ? が存在する場合、新しいクエリパラメータは & を使って追加する必要があります。 3. 正しい形式     * URLの正しい書き方: https://example.com/?page=001&utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=2025ss     * ここでは、utm_source=google から始まるUTMパラメータが & を使って追加されています。

4. アンカーリンクに注意する

ランディングページURLにアンカーリンクが付与されていることもあります。
この場合、アンカーリンクはパラメータの「後」に付与してください。
それでないとアンカーリンクが無効に(指定の箇所に飛ばなく)なってしまいます。

 1. 共有されたランディングページURL     * URL例: https://example.com/#about     * このURLは、ページ内の特定のセクション(例: #about セクション)へのリンクを含んでいます。# 以降の部分は「アンカーリンク」と呼ばれます。 2. GA4パラメータを付与した状態     * URL例: https://example.com/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=2025ss#about     * このURLは、クエリパラメータ(utm_source, utm_medium, utm_campaign)を含み、さらにアンカーリンク #about を保持しています。 3. 重要なポイント     * 赤い矢印で「アンカーリンクはパラメータの後」と記されています。     * UTMパラメータはアンカーリンクより前に記述し、アンカーリンクはURLの末尾に配置されます。これが正しい形式です。

3、4に関しては、Googleが公式で提供している便利ツールを使うとミスなく行えます。

Campaign URL Builder

5. 最後に必ずパラメータ付与済みURLをクリックして確認する

最後に完成したパラメータをクリックして、問題なく目的のページに飛ぶか確認しましょう。

これで、あなたもGA4パラメータマスターです。

広告以外にパラメータを付与したほうがよい時とは!?

最後に少しだけ補足させてください。

GA4パラメータと聞くと広告出稿するときに付与するものと理解している方が多いと思いますが、実は「アプリ面にWEBサイトのリンクを掲示するとき」もパラメータをもれなく付与することをお薦めします。

アプリ面ですが、必ずしも広告とは限りませんよね。
例えば、企業保持のXアカウントなどSNSにて投稿をしたときにWEBサイトのリンクを貼ることがあると思います。

アプリ面リンクをクリックした際、携帯のOSや機種にもよりますが、アプリ内ブラウザで遷移することもあれば、新しくブラウザアプリが立ち上がって遷移することもあります。

後者のブラウザアプリが立ち上がる場合はパラメータを付与しないとどこから来たかがわかりません。パラメータを振らないと「ダイレクト流入」という扱いになります。

ですので、「アプリ面にWEBサイトのリンクを掲示するとき」は必ずパラメータを付与してください。

     * 左側(出発点)         * ユーザーがX(旧Twitter)のアプリで投稿を閲覧し、リンクをクリックします。         * リンク先は https://www.d2cid.co.jp/service/gov/ に設定されています。     * 右側(到達点)         * ユーザーがリンクをクリックした結果、リンク先ページがブラウザ(Chromeなど)で表示されます。 1. 問題点     * リンクにはUTMパラメータが含まれていないため、流入元情報が失われる可能性があります。     * 一部の環境では、ブラウザがリンク先を最初のページと認識します。         * リファラー(前に見ていたページのURL) が送信されません。         * この場合、Googleアナリティクス4(GA4)では「ダイレクト流入(流入元不明)」として記録されます。 2. 青い枠内の補足情報     * ブラウザの動作:         * Chromeなどでリンクを開くと、ブラウザが立ち上がり、リンク先ページを最初のページとして扱う場合がある。     * リファラーが送信されない理由:         * リンクにUTMパラメータがないため、流入元の識別ができず、GA4でダイレクト流入扱いになる。
     * 左側(出発点)         * ユーザーがX(旧Twitter)のアプリで投稿を閲覧し、リンクをクリックします。         * リンクにはUTMパラメータ(utm_source=x&utm_medium=social)が含まれています。     * 右側(到達点)         * ユーザーがリンクをクリックした結果、リンク先ページがブラウザ(Chromeなど)で表示されます。         * 表示されるURLにはUTMパラメータが含まれており、ランディングページは https://www.d2cid.co.jp/service/gov/?utm_source=x&utm_medium=social です。 1. パラメータの利点     * ランディングページURLにUTMパラメータが含まれているため、トラフィックの流入元(X)と媒体(social)が解析ツール(例: Googleアナリティクス)で正確に記録されます。 2. 青い枠内の補足情報     * 一部の環境ではブラウザ(例: Chrome)が立ち上がりますが、ランディングページURLにパラメータが含まれているため、どこから流入したかが明確になります。

おまけ

パラメータ左辺にあるutmはurchin tracking moduleの略です。
urchinとは私も大好きな海の幸「ウニ」の英語です。
かつて、google アナリティクスはUrchin Software Corporationが開発したアクセス解析ツール「urchin」を買収して出来上がったのです。
まだその名残がパラメータにあるなんて、歴史を感じますね。
しかしなぜ「ウニ」…

長々と失礼しました。

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データマネジメント部 WEBアナリスト

高野千絵

市場調査、競合分析、SNS分析、アクセス解析、KPI設計などデータにまつわる業務を幅広く担当。 データなどのエビデンスも、UXで感じた直感も、どちらも大切にしています。

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