画像生成AIで差をつける!広告制作におけるAI活用の鍵とは?

IMG SRC STUDIO

  • #生成AI

こんにちは! 本日は、IMG SRC STUDIOのテクニカルディレクター・田中が、広告業界における生成AI活用とコンテンツ制作において鍵となるポイントについてご紹介します。

-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

画像生成AIが一般的に活用されるようになった今、広告業界におけるクリエイティブ企業が生き残るためには何が求められるのでしょうか?
鍵となるのは、モデルデータがどのように作られたか(透明性)と、情報が安全に管理されているか(セキュリティ管理)、クライアントの要望に合わせてAIを調整すること(トレーニング or ファインチューニング)です。

ChatGPTなどの画像生成AIに「ジブリ風」「ビックリマン風」といったプロンプトを入力すれば、それらしい画像を生成できます。もちろん、こうしたアウトプットは著作権の観点で注意が必要です。

一方で、特定のイラストレーターの画風や細かなニュアンスを安定して再現したい場合、モデルそのものをカスタマイズ(ファインチューニング)する必要があります。
その手法の一つが、Stable DiffusionのLoRA(Low-Rank Adaptation)を用いた学習です。

LoRAを使った画像生成AIのファインチューニングを実際にやってみた

今回は実際にLoRAを用いて、自前のイラストのスタイルを安定的に再現するモデルの作成にチャレンジしました。

使用した環境・構成概要

  • ベースモデル:AnyLoRA
  • チューニング方式:LoRA
  • 学習データ:ひよこのイラスト10枚
  • 実行環境:ローカルGPU(NVIDIA RTX 3050)


入力画像(トレーニングデータ)

-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

生成結果(LoRAなし)


プロンプト

a cute chick illustration style, minimal, soft texture, brown outline

(細かい設定は省略)

アウトプットが安定しなかったり、ベースモデルの影響で擬人化のようなものまで含まれています。

-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

生成結果(LoRA適用後)

プロンプト

a cute chick illustration style, minimal, soft texture, brown outline <lora:hiyoko_v2:0.8>

(細かい設定は省略)

LoRAでトレーニングした画像のスタイルを維持しつつ、安定したアウトプットが期待できます。

実施してみての所感

LoRAの活用により、わずか十枚の画像でも特定のスタイルを高精度で再現できることが確認できました。
汎用的なプロンプトでは再現しきれない「線の揺らぎ」「色味」「デフォルメの特徴」といったニュアンスも、学習によりしっかりと表現されています。

特に、ブランドごとの世界観やアートディレクションに沿った表現を求められる広告クリエイティブにおいて、LoRAは有効な技術であると実感しました。

自社の生成AI事例

D2C IDでは、これまでにも生成AIを複数の案件で導入しています。

未来のキミと未来のおしごと展

https://www.d2cid.co.jp/projects/miraino-oshigoto-ten/

マウントレーニア AI森田に褒めらレーニア

https://www.d2cid.co.jp/projects/ai_morita/

こうした取り組みは、制作プロセスの効率化だけでなく、「表現の幅を広げる新たな創造ツール」としてのAIの価値を引き出すことにつながっています。

一方で実務へ応用に際しては、使用データの著作権や契約条件への配慮が不可欠です。
AIの学習に関しては、使用データの著作権や契約条件への配慮が不可欠です。
D2C IDでは以下のような対応を徹底しています。

  • 学習データの出所と利用許可の明確化: 必要に応じて法務部門と連携
  • 生成された画像の著作権への配慮: 著作権侵害のリスクを最小限に抑える運用
  • セキュリティ対策の徹底: 信頼性の高い外部API・モデルのみを使用するか、セキュリティが確保されたローカル環境での学習・生成を実施
  • クライアント別モデルの安全な運用: クライアントごとに設計されたモデルは、厳重なセキュリティ体制のもとで運用

また、クライアントの要望に応じて「クライアント専用のAIモデル」を作るサポートも行っており、これまでの実績では、広告表現において高い再現性と信頼性を実現しています。

まとめ

画像生成AIの活用が一般化してきた今、クリエイティブ企業に求められるのは、「どのツールを使うか」ではなく「どのように活用するか」です。

LoRAをはじめとするファインチューニング技術を取り入れることで、独自性とクオリティを兼ね備えたクリエイティブの提供が可能になります。


技術を味方につけ、透明性と安全性を確保しながらAIを活用することが、他社の広告と差をつける鍵になると考えています。

SHARE

IMG SRC STUDIO

独自のR&Dをもとに、デジタルインスタレーション、XR、AIなど、クリエイティブとテクノロジーの力で、デジタルとリアルの双方からユーザー体験を提供します。

CONTACT

お仕事のご相談はこちら

お客様の課題を解決するための
最適なCX(顧客体験)を
実現する
プランをご提案いたします。

RECRUIT

採用情報

“CX CRAFTS”カンパニーとして
顧客体験(CX)を追求する仲間を求めています。

MAIL NEWS

メールニュース

実績や開催イベントなどを
ご紹介するメールニュースを発行しております。