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たった一つの指標で、チームはそろう。ノーススターメトリック入門

メディアコンサルティング部

  • #プロジェクトマネジメント

メディアコンサルティング部の小松です。

「今月の目標はサイト訪問者を1.5倍に!」――毎日、各チームが目標を追いかけています。それ自体はとても大切です。ただ、こんな違和感を覚えたことはありませんか?

・みんな頑張っているのに、向きがそろっていない気がする
・数字は伸びたのに、ユーザーが喜んでいる実感が薄い
・目標は達成したのに、どこかモヤモヤする

もし一つでも当てはまるなら、チームにみんなで見上げる「たった一つの指標」が足りないのかもしれません。その指標が、ノーススターメトリック(NSM)です。
※NSM = North Star Metric(ノースターメトリック/北極星指標)

ノーススターメトリック(NSM)とは?

NSMは、ユーザーが価値を受け取ったことをもっともよく表す“たった一つの指標”です。結果としての売上だけでなく、価値が届けられた証拠を数字で捉えます。チームの判断を一つに束ね、将来の収益の先行指標として機能することが理想です。

例:
・「登録した」ではなく、「使って役に立った」を測れるか
・「アクセス数」ではなく、「価値のある体験まで辿り着いた数」を見られるか

なぜ今、ノーススターメトリック(NSM)が必要?

KPIは年々増えています。PV、CVR、滞在時間、フォロワー……。どれも大切ですが、全部が重要だと、結局なにも選べません。

NSMは、ばらけたKPIを価値の一本線に束ねます。これにより以下の変化が出てきます。

  1. 施策の優先順位がつけやすくなる
    たくさんのアイデアで迷っても、判断基準は、たった一つです。「私たちの北極星に一番近づくのはどっち?」これだけで、チームは最善の道を選べます。
  2. 部署をまたいでも、同じ方向を向ける
    営業チームは「問い合わせの数」、開発チームは「新しい機能の数」と、それぞれの目標だけを見ていると、まるで船の漕ぎ手がみんな違う方角へオールを漕いでいるような状態に。これでは船は前に進みません。
  3. レポートが「数字の羅列」から、価値の進捗へ変わる
    「サイトに来てくれる人の数(PV)」という数字だけを追いかけると、「どうすれば、ユーザーがもっと喜んでくれるか?」という一番大切な気持ちを、つい忘れてしまいがちです。

NSMは『ユーザーが「これ最高!」と感じてくれる瞬間をみんなの共通目標にしよう』という考え方です。

この「ユーザーのうれしい気持ち」というたった一つの星を全員で目指す。 そうすれば、チームは自然と同じ方向を向き、結果として会社の最終ゴール(売上・KGI)にもたどり着けるのです。

良いNSMの条件と、有名企業の事例

良いNSMには、大切な条件があります。それは、ユーザーの「やりたいことができた!」という成功体験を表していることです。

メッセージアプリの場合:

<ダメな例>
アプリのダウンロード数:ダウンロードしただけでは、ユーザーはまだ何も体験していません。

<良い例>
メッセージの送信数:メッセージを送るたびに、ユーザーは「連絡がとれた!」という満足感を得られます。

この視点で、世界的な企業のNSMを見てみましょう。

※ いずれも「ユーザーに価値が届いた総量」を表しやすい指標として、業界解説で頻出する例です。

NSMがあると、日々の判断はこう変わる

「理屈は分かったけど、北極星が見つかると、具体的に何が変わるの?」
同じチームでも、NSMを決めるだけで視点が揃い、仕事のやり方がガラリと変わります。

1) SNS・オウンドメディア担当
従来:クリック数・セッション数が最優先
・NSM導入後:「役に立つ体験が生まれたか」に注目

 例)保存(ブックマーク)+30秒以上の有益閲覧セッション数
 例)資料DL→「相談予約までの完了数」(次の価値行動に接続)

ユーザーが次の行動に踏み出した証拠を数えます。記事のポイントを分かりやすく図にまとめたり、自分の言葉で感想を添えたりと、ユーザーの役に立つための工夫が生まれます。

2) イベント担当

・従来:参加者数を増やすことがゴール
・NSM導入後:参加+満足の2条件で価値を測る

 例)満足度4/5以上の参加体験数(交流・ワーク・限定特典などで体験を設計)

どうすれば「今日のイベント、最高だった!」と感動をシェアしてもらえるだろう?と考えるように改善。ただ話を聞くだけでなく、参加者同士で話し合う時間を作ったり、イベントでしか手に入らない特別なプレゼントを用意したりと、心に残る体験づくりに知恵を絞ります。

3) EC担当

・従来:訪問者数を追う
・NSM導入後:価値が届いた“完了”に寄せる

 例)配送完了・返品なしの有効注文数
 例)30日以内のリピート購入件数

NSMを「商品を買ってくれた人の数」に設定。すると、チームの関心は「どうすれば、気持ちよくお買い物ができるだろう?」に変わります。商品の写真をもっと分かりやすくしたり、注文までのステップを簡単にしたりと、最高の買い物体験を追求するようになります。

このように、NSMを一つ決めるだけで、チームのすべての仕事が「どうすれば、ユーザーにもっと喜んでもらえるだろう?」という、たった一つの問いに繋がっていきます。

ポイント:単なる“数”ではなく、「価値が届いたと言える定義」に一歩踏み込むこと。

あなたのチームの「北極星」を一緒に見つけませんか?

もし、あなたが「今の目標設定だと、チームがまとまらない」「もっとみんなで、ユーザーを笑顔にしたい」と感じているなら、それはチームが新たな「NSM」を必要としているサインかもしれません。

私たちは、WebやSNS、イベント、コンテンツを束ねた統合的な顧客体験(CX)設計を得意としています。

「私たちのチームのノーススターメトリック、いっしょに探してくれませんか?」

小さな相談からでも大歓迎です。まずは、今の悩みをお聞かせください。


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メディアコンサルティング部

自社のWEBサイトとSNSをオウンドメディアと定義し「ブランディングとグロース」に向けた、総合的なコンサルティングを行なっています。 自社メディアの分析、競合メディアの調査といったデータに基づき、企画〜制作〜運用まで、ワンストップで対応。「作って終わり」とならないよう、ローンチ後の成長も見据えてクライアントに伴走します。

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