
もう迷わない!顧客理解を深めるペルソナ分析とAI活用の実践事例

沖縄オフィス
#マーケティング
こんにちは、D2C ID沖縄オフィスの喜友名です。
私は普段、アナリストという職種の業務を担当しており、担当案件のKPI、KGIの進捗の把握や達成に向けた課題の調査・解決に向けた分析を主に行っています。
分析と一口に言っても、分析対象や実現したいことよって様々な分析手法があります。今回は私の担当案件での分析において「ペルソナ分析」を実施した事例をご紹介いたします。
なぜ「顔の見える」ユーザーが必要なのか?
今回の担当案件は多数のサービス利用者を抱えているが、新規ユーザーや利用しているものの関与度の低いユーザーのナーチャリングが課題となっていました。
この課題に対して1to1コミュニケーションツールとMA(マーケティングオートメーション)を用いてこれらの関与度の低いユーザーに継続的に適切なコンテンツの訴求を行うことでサービスへの理解と関心を醸成し、ナーチャリングに繋げることで解決を目指しました。
しかしここで1to1コミュニケーションツールでのMA配信を実施する際の問題が発生します。MA配信による自動化のメリットの一部として以下の2点が挙げられます。
①条件を満たす人に、「毎日」送ることができる
②配信を「ステップ化」して送ることができる
※MAについて詳しく気になる方はこちらの記事も読んでみて下さい。
この①の「条件を満たす人」の設定をどのようにするべきかということが問題です。
自動で特定の訴求を配信するため、その訴求に興味を持ちやすいユーザーに届いて欲しいのですが、対象を狭くしすぎるとナーチャリングに繋がるユーザーの母数は少なくなってしまい、広くしすぎてしまうと興味のないユーザーへも届いてしまうことで効果が薄くなってしまいます。
当初の課題である新規ユーザーや利用しているものの関与度の低いユーザーの中にも様々な特徴を持ったユーザーがいるため、一人ひとりのユーザーに響くコンテンツを届けるには、彼らの「顔」が見える状態にする必要がありました。
ペルソナ分析の重要性
このような状況ではペルソナ分析が非常に効果的です。 ペルソナ分析とは、ターゲットとなるユーザー像を、実在する人物のように具体的に設定する分析手法です。
氏名、年齢、居住地、職業、趣味、家族構成といった基本情報に加えて、日々の行動パターン、情報収集の方法、サービスに対するニーズや課題、さらには心情や価値観まで深掘りしていきます。
詳細な設定を行うのには主に3つの目的があります。
①ターゲットユーザーへの理解
漠然とした「新規ユーザー」や「関与度の低いユーザー」といった括りでは、その多様なニーズや行動特性を捉えきれません。
ペルソナを設定することで、案件に携わるメンバー全員が共通のユーザー像をイメージできるようになり、彼らの視点に立って物事を考えられるようになります。
これにより、「このペルソナは、どのような情報に興味を持つだろうか?」「このペルソナの課題を解決するには、どのようなコンテンツが最適か?」といった具体的な議論が可能になります。
②効果的なコンテンツ戦略の立案に繋がる
ペルソナのニーズや課題が明確になることで、MAで配信するコンテンツの内容や表現、配信タイミングなどを最適化できます。
例えば、「時間がないけれど、手軽に情報を得たい」ペルソナには短時間で読める要点まとめを、「じっくり情報を比較検討したい」ペルソナには詳細な導入事例を、というように、パーソナライズされたアプローチが可能になります。
これにより、興味のないユーザーへの無駄な配信を減らし、エンゲージメントの高いユーザーへの訴求力を高めることができます。
③チーム内の認識統一とコミュニケーションの円滑化
分析担当者だけでなく、MA配信の担当者やクライアントともペルソナを共有することで、それぞれの認識を統一することができ、配信対象や訴求内容の決定の中で誤解なく進行することができます。
実際のペルソナ作成:AIを活用した具体例
私の担当案件では、このペルソナ分析を通じて、関与度の低いユーザー層をいくつかの具体的なペルソナに分類しました。
例えば、「サービス登録はしたが、まだ使い方がよく分からない初心者ペルソナ」や、「一部の機能は使っているが、他の機能には興味を示さない限定利用ペルソナ」などです。
さらに今回は、これらのペルソナを固めていく上で、AIの力を活用しました。
利用ユーザーの行動ログや属性などのデータや、少数ですが実際の利用者へのアンケートによるN1分析の実施でユーザー像をまとめていきましたが、それだけでは埋めきれない部分をAIによって埋めていきました。
年齢や性別、サービスの利用歴、利用回数といったデータからは、ユーザーの具体的な行動パターンは把握できても、一般的にどのようなことに関心があるのかという心理や動機については、少数のN1分析だけでは限界がありました。
そこで、既に決まっているペルソナ情報に加え、ユーザーの興味・関心や潜在的なニーズに関する質問をプロンプトとしてAIに入力しました。これにより、AIは大量の公開データや学習済みの知識に基づき、より詳細で具体的なペルソナ像を生成してくれました。
そのペルソナ像に違和感が無いかをチーム内でディスカッションし、よりもっともらしいペルソナの作成に繋げていきました。
それぞれのペルソナに対して、彼らの抱える課題や興味関心に合わせたMA配信のシナリオを設計することで、以前よりも効果的なナーチャリングが可能になりました。
ペルソナ分析がもたらす効果と今後の展望
このように、ペルソナ分析は単なるユーザー像の分類だけでなく、具体的なマーケティング施策の精度を高めていくことができます。
皆さんのサービスでも、もしユーザーへのアプローチに課題を感じているのであれば、ぜひ一度ペルソナ分析の導入を検討してみてはいかがでしょうか?
漠然としたターゲットではなく、「顔の見える」ユーザー像を設定することで、これまで見えてこなかった課題やニーズが明らかになり、新たな打ち手を発見できるかもしれません。
SHARE
沖縄オフィス
ディレクター、エンジニア、アナリストが所属。それぞれの専門領域で身につけた情報を発信します。

OTHER ARTICLE
関連記事
1
|
1
CONTACT
お仕事のご相談はこちら
お客様の課題を解決するための
最適なCX(顧客体験)を
実現する
プランをご提案いたします。
RECRUIT
採用情報
“CX CRAFTS”カンパニーとして
顧客体験(CX)を追求する仲間を求めています。
MAIL NEWS
メールニュース
実績や開催イベントなどを
ご紹介するメールニュースを発行しております。